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愛の夢 38

           <38>
歩が香の元に帰ると、太郎は家を飛び出して、タクシーで大帝ホテルに向かう。タクシーの中で、大帝ホテルに電話すると。
『申し訳ありません・・・。奥園様は先ほどチェックアウトなさいました。』
そんな無情な言葉が聞こえてきた。
「そ・・・そんな・・・。どこに行ったか分かりませんか・・・?」
『申し訳ございません。私どもには分かりかねますが・・・。』
「そうですね・・・。すみません・・・。」
太郎は電話を切ったが、抑えきれない想いは溢れてくる。太郎は藁にもすがる気持ちで、大帝ホテルに向かう。
・・・・もしかしたら、まだ間に合うかもしれない・・・。
・・・間に合ってくれ・・・。

タクシーに乗っている時間が、すごく長く感じ、どんどん楓との距離が離れていくような気がした。
「す・・すみません・・・急いで下さい。」
運転手にお願いすると、
「分かりました。割と空いているので、早く着きますよ。」
運転手がそう言うと、スピードを上げた。
「お願いします・・・。」
太郎は、両手を合わせ、祈る様に前を見つめる。

タクシーが大帝ホテルに滑り込むと、太郎はお金を渡し、お釣りはいらないとドアを飛び出した。ホテルのドアを入ると、ロビーの中をキョロキョロと見渡す。
・・・・居ない・・・・。
楓が居れば、すぐに分かるはずだ、あの長身に長い髪。
・・・・どこかに・・・居ないのか・・・。
太郎は、走り出しそうになるのを堪えると、コンシェルジュの元に向かう。
「あ・・・あの・・・・。人を探しているのですが・・・。」
美しいコンシェルジュが笑顔を見せ、
「はい、私共にできる事でしたら、お探し致しますが、あいにく当ホテルでは館内放送という事は出来かねます。ベルマンがお探し致します。お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「はい、奥園楓さんです。このホテルに先程まで居たのは分かっているのですが、さっきチェックアウトをされたみたいで、探しているのです。」
太郎の無謀とも思える言葉に、
「あ〜、あの奥園様ですか・・・?では、少々そちらでお待ち頂けますか?只今確認致しますので。」
コンシェルジュはそう言うと、太郎の後ろにあるソファに腰掛ける様に促す。
「はい、お願いします。」
太郎はそう言うと、素直にソファに腰掛ける。
腰掛けたのを確認すると、コンシェルジュは電話を取り、どこかに掛けている様だった。その間も太郎は楓がロビーを通るのではないかと、目を凝らしていた。
しばらく待つと、コンシェルジュが太郎の元へ来る。
「ご案内致しますので、しばらくお待ちください。」
コンシェルジュがそう言った。
「えっ?か・・・楓・・・いえ、奥園さんはまだいらっしゃるのですか・・・?」
「はい、今、担当の者がこちらに向かっております。その者がご案内致します。」
コンシェルジュの言葉に、太郎の胸がドキドキと高鳴る。

・・・・・良かった・・。
・・・・・間に合った・・・・。

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Author:ミートン・メートン
はじめまして!ミートン・メートンです。
拙い小説ですが、
毎日ドキドキしながら更新しております。
現在更新時間8時と14時(不定)になります。
長い目で読んでみて下さい。

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